こんにちは、エンペイのエンジニアのマチムラです。風呂の大掃除をしていたら、mtgに遅刻しました。
突然ですが皆さんは、夏休みの宿題をいつやるタイプでしたか? 僕は、初日にはもちろんやらず、夏休み最終日にもやらず、提出を求められてもやらずにしれっと2学期を軌道に乗せていくタイプでした。
そんな僕が、コロナ禍に入ってリモートワーク主体の働き方になってどうなったか。
とにかくサボるんですよね。
楽しい仕事の時はいいんですけど、どうしても気持ちが向かない仕事を前にすると自然と手が……X(旧twitter)に……ということも少なくありません。 ※そろそろこの(旧twitter)ってだいぶダルいですね
あと、仕事内容に関わらず、今日はどうも調子悪い…やる気出ない…という日もありますよね。そんな時、出社してれば人の目があるから騙し騙しできるけど、自宅だとスイッチが完全にオフになってしまいそうになることもあります。ていうか今日(締切日)がそんな日です。助けて!
今日は、そんな怠惰な僕がどうやってリモートワークで仕事に意識を向けているのか、をご紹介します。
この記事の対象でない読者
- 「夏休みの宿題?もう終わらせたけど」が口癖で、本当に終わらせている人
- 「計画立てたら、その通りやればいいだけじゃん」が口癖で、本当にその通りできている人
この記事の対象読者
- 上記の口癖があるけど、実はできてなくて必死に間に合わせている人
- 夏休みの宿題を出したことがないけど、仕事はちゃんとしたい人
- この記事の対象でない読者
- この記事の対象読者
- 0. 諦めるべきことと、諦めなくて良いこと
- 憧れるのはやめましょう。
- 人間は成長するのだ。してみせる。
- 1. 「始業の儀式」という挫折あるある
- モーニングルーティンの落とし穴
- それでも、やらないよりマシ
- 2. あなたは「獲得型」?「防御型」?
- 目標の設定方法はいろいろある
- 人間は成長する。
- 3. 自分の中にif文を書き込む
- 条件型(if-then)計画
- 4. 始業の儀式、ふたたび
- 「日々続ける」が一番難しい
- おわりに
- 参考文献
0. 諦めるべきことと、諦めなくて良いこと
憧れるのはやめましょう。
僕らの周りには、ちゃんとした人がたくさんいっぱいいます。会社の人はもちろん、大学、高校、その前から僕は「ちゃんとした人」「自制心のある人」に囲まれて生きてきました。 当然そういう人に憧れて、そういう人の真似をしていれば自分も「ちゃんと」できるのだという仮説に基づいて、真似をしたりして、挫折してきました。
なぜうまくいかないか。そういう人たちの「振る舞い」は真似することができても、内面を真似することはできないから、というか真似する以前にそういう人たちの内面は「知りえない」からです。
几帳面に見える人も、実はめちゃくちゃ怠惰なのにも関わらずテクニックで几帳面に振る舞っているのかもしれないし、逆に何も考えなくても几帳面に振る舞える人かもしれない。
僕らは自分の「心」的なものをなんとかしないといけないので、そこがわからないものを真似しても成功率はだいぶ低いんですよね。
なので、周りの「ちゃんとした人」に憧れるのはやめて、自分の心に集中しましょう。
人間は成長するのだ。してみせる。
リモートワークの出始め、まったく適合できなかった(そのくせ楽だからという理由でやたらリモートワークをやりたがっていた)僕も、少しずつ自分の心をチューニングしていくことで、だんだん仕事ができるようになってきて、集中できる時間も少しずつ伸びてきました。
また、セルフコントロールは大人になっても鍛えることができるという研究も数多くあります。この記事では、セルフコントロールについてのTIPSをいくつかご紹介します。
1. 「始業の儀式」という挫折あるある
モーニングルーティンの落とし穴
どの「ちゃんとした人」になるための本でも、簡単なモーニングルーティンをやれ、と書いてあります。コーヒーを淹れる、ニュースをチェックする、瞑想をするなどなど。
確かにやるといいんですよね。僕も今、朝のカレーを作っています。
でも僕らは、モーニングルーティンも2,3日でやめてしまう。
ああいう本、サボり癖の深刻さを甘くみているものが多いように思えます。
それでも、やらないよりマシ
たとえ3日坊主に終わってしまうとしても、その3日の効率は上がるはずなので、「どうせ無駄なんだよな」という思いを振り切ってやるのは悪くない方法です。
僕も、先週までは朝瞑想していましたし、その前の週は白湯を飲んでいました。
「継続できたかどうか」じゃなくて「その日うまくいったかどうか」だけを考えるようになって、何かは続くようになった感じがします。
2. あなたは「獲得型」?「防御型」?
目標設定がうまくいかないと、リモートワークはなかなかうまくいきません。 会社にいた時は、同僚と口頭で話したり、そもそも会社の内装が目標を意識してデザインされていたりと、大小様々なサポートがあったものですが、自宅にいる時はその目標を内化して実行に繋げる作業を自分一人でやらなければなりません。
このセクションでは、「自分に合う目標」ってなんなんだろう、という話を通じて、リモートワークの時代に自分を奮い立たせる方法を学んでいきます。
目標の設定方法はいろいろある
何かを達成しようとする時、大体僕たちは「目標」を立てます。心理学では、その目標の立て方にも色々あるよねー、ということが長年研究されていました。
今回は、コロンビア大学のヒギンスが言い始めた「獲得型」と「防御型」の目標についてご紹介します。
この二つの目標は、利き腕みたいなもので、「防御型」の世界観を持っている人が無理やり頭で「獲得側」の思考で目標を設定しても、大体うまくいかなかったりします。
大人の世界では、大体「獲得型」のフォーマットで目標が描かれます。それに心からノれる人は載ったらいいし、少しノリが違うなーと思う人は、目標を「防御型」のフレームワークで捉え直してみると、日々の進捗に良い影響があるかもしれません。
また、プロジェクトのどのフェーズでどっちの目標のフレームワークに乗りやすいか、みたいな話もありますし、意外と自分の「利き腕」に関する認識も深いものです。ぜひ自分を見つめ直してみましょう。
ちなみに僕の利き腕は「獲得型」のようで、どうも「防御型」のモチベーションが燃えるのが遅い傾向にあります。だから夏休みの宿題もやらなかったのかな…と考えると、色々納得がいったりしますね。
※参考文献で紹介する、『やってのける』には、読者がどちらの思考が得意かの簡単なチェックリストが載っています。このブログの10倍くらい、それぞれの目標の使い方についても書かれているので、ぜひ購入をご検討ください。
人間は成長する。
「獲得型」の世界観を持っている人も、訓練すれば「防御型」の目標にリアリティを持ち、場合によって使い分けることができます。
スピードが必要な時は「獲得型」、正確さが必要な時は「防御型」の思考が有用など、それぞれ得意分野があるので、自分の傾向を知り、少しずつ他の傾向もイミテーションできるようになっていくと、少しずつカバーできる範囲が広がっていくと思います。
僕は大体、物事を始めようという時には「これができたらめちゃ楽しい」みたいな獲得型の目標設定をして、いざ始めてから達成に持ってく時は「これができなかったらめちゃ恥ずかしい」みたいな防御型の目標設定にするとうまくいくことが多いです。
最初から「恥ずかしさ」を避けることに意識が向くと、そのことを「始めない」という方向にいってしまう。(資格試験とか、自主企画とか)ままならないものです。
『やってのける』では、獲得型 vs 防御型だけでなく、「習得型(get better)」vs「証明型(be good)」の対立軸も導入され、より細かい事例や適応策が書かれています。
3. 自分の中にif文を書き込む
良い目標が設定されたら、次は行動計画を立てて、実際に実行していこうと考えると思います。
しかし、例えば「絶対に今年は10kgやせる」という目標のもとに計画を立て、実際は5kg増量してしまったみたいなことが、人間、特に僕には頻繁に起こります。
ここでは、どういう計画を立てると実行に結びつきやすいのかを示唆します。
条件型(if-then)計画
今回は、「計画」段階の冷静な頭と、「実行」段階の欲望に晒された頭を繋げるための条件型計画をご紹介します。
- まず、具体的な行動を決めます。平日の朝、1kmランニングするとか、できるだけ具体的な行動にしましょう
- 1で決めた行動を、「いつ」「どこで」実行するかを決めます。行動に対するリアリティを増すのとともに、行動を起こすためのフックを作る効果があります。
- 1, 2で決めた「行動」「いつ」「どこで」を、「もし〇〇なら、△△をする」という形式で文書にまとめましょう(条件型計画)。できた文書は、音読するととても実行率が上がります。
- 目標を達成する過程で生じうる障害物を想定し、それらに対処するための条件型計画を作成しましょう。普段の時と問題が起きた時を同じフォーマットで対処することが大事です。
スナック菓子を用いた実験では、このフォーマットで計画を立てたグループが、立てなかったグループに比して二倍の成果(スナック菓子を我慢する量)を出したそうです。 (ぜひこの実験に参加したい、と思ったけど、成功グループも食ってはいるんだよな)
4. 始業の儀式、ふたたび
「日々続ける」が一番難しい
僕のような怠惰な人間は、「毎日何かを続ける」が一番難しいです。 なので、「効果的なモーニングルーティンを設定して、それを続ける」は自分にあっていないな、という結論に落ち着きました。
今は、4で作った条件型計画を眺める、ということをモーニングルーティンにしているのですが、それも可能な限り小さい労力で行えるように、iPadのスタート画面、PCのスクリーンセーバに加え家の壁にも貼っています。
それで自分に計画が入力されれば、4で作った計画に沿って何かやりたいことが出てくる。今は一応それでうまく回っています。
自動化のファーストステップは、1日の最初のifを自分に入力するところに使うべきだなー、と、最近の生活ではよく思います。
おわりに
というわけで、怠け者の僕でもなんとかリモートワークをこなしています。
なんだか怪しげな自己啓発本のようになってしまいました。理屈っぽくやれるところは理屈っぽくやって、行動に繋げていければなーと思ってこれからもやっていきます。
皆さんも良いリモートワークライフをお送りください!
参考文献
ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける』
このブログのタネ本です。もっと詳しいやり方を知りたい方はぜひ読んでみてください。ここで紹介していない要素や、テクニックについても色々載っています。
杉山尚子、島宗理、佐藤方哉、リチャード・W・マロット、マリア・E・マロット
僕の「目標構築」やプロセスの思考のベースは行動分析学に依拠しているのですが、その教科書です。